不動産投資

古い収益物件の空室・修繕リスク|入居審査は属性だけで決めない

古い物件は購入価格だけでなく「維持費」を見ます

築年数の古い収益物件は、購入価格が低くても、設備故障、空室期間、原状回復、家賃下落などで収支が変わります。購入時には直近の修繕履歴と今後数年の修繕候補を確認します。

入居希望者は客観的な条件で審査する

以前この記事では、外国人の入居希望者について属性から判断するように読める表現がありました。現在はこの部分を見直しました。家賃支払能力、保証、契約内容の理解、緊急連絡先、生活ルールの説明など、個別の客観的条件を確認することが大切です。

国土交通省も、外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居に向け、大家・不動産事業者向けの受入れガイドを公開しています。

国土交通省:外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居

空室対策は「断ること」より条件整備

保証会社、多言語でのルール説明、管理会社との連携など、貸主側で整えられる仕組みを確認します。入居率とトラブル防止の両方を考えます。

2020〜2021年公開時の記事を参考として読む
ここから下は公開当時の記録です。

制度・料金・サービス・実務は現在と異なる場合があります。現在の情報は、このページ上部の2026年更新部分を優先してください。

建築してから40年以上経っているアパートの修繕工事も終わり、融資を受けた通帳の残高も、かなり寂しくなりました。

すっかり、フルローンのつもりでいたのですが、諸経費までは融資が下りなかったので、既に前オーナーから引き継いだ入居者さんの保証金までも使い込んでおります。

 

古い収益物件は、手間がかかる!?

たいしたいし
使い込んだ保証金は預かり金だから、貯めなくては!

いつか返さなくてはいけないお金です。

何としても収益を上げて、貯めておかないと大変なことになりそうです。

しかし、早くローンを終わらせたい気持ちから、返済期間を短めにしたため、収入と支出が結構ギリギリのラインになっています。

そして、契約してから、残代金の決済までに退去者も出てしまったので、現在3部屋も空室の状態です。

しかし、入居者の募集という、収益に直結することばかりに目が向いていますが、古い物件に付きものの問題が次から次へと発生してくるのです。

 

空室リスクは付きもの

たいしたいし
何とか入居者を集めないと!

管理会社を通じて、賃貸仲介業者に広告を出してもらうことにしました。

自社のサイトに出すだけなので、費用もかからないそうです。

広告には、募集条件を色々と決めないといけないので、不動産業者の彼に相談しました。

たいしたいし
どうしたら、入居者が集まるかな?
不動産会社不動産会社
キャンペーンしてみてはどうですか?

キャンペーン?

詳しく聞くと、入居してもらいやすい配慮をした方がいいよってことでした。

 

家賃で勝負すると首が絞まる

僕の購入したアパートは、いくら修繕しても建物の古さは隠せません。

おまけに内装をリノベーションするお金も残っておりません。

当たり前ですが、家賃を下げると入居してもらいやすくなる代わりに、収益が減ります。

でも、空室が一番の損失なので、何とかしなくてはなりません。

不動産会社不動産会社
例えば、保証金や礼金を免除するとか、2ヶ月間家賃なしとかはどうでしょう。

なるほど色んな方法があるものです。

色々と策を練っていると、管理会社のAさんから連絡が入りました。

たいしたいし
入居者が決まったかな。

そう思って、電話に出てみました。

 

入居もあれば、当然退去もある

期待して話を聞いてみると...

管理会社管理会社
退去の申出がありました。
たいしたいし

うーん、これで4部屋も空く状況になってしまいました。

収益を増やすどころか、毎月のローン返済額の方が多くなってしまいます。

管理会社管理会社
退去の立会やっておきますね。

ということで、退去の立会も代行してもらいました。

たいしたいし
退去者から預かっている保証金で修繕して、早く次の方に入居してもらわないと。

長年入居してもらっていた方ですので、それなりに痛んでいるはずです。

預かっている保証金で部屋をきれいにしようと考えておりました。

たいしたいし
建物自体や外装は、しっかりと大家がメンテナンスしなくてはいけないけど、内装は退去者に費用を負担してもらおう!

壁紙張り替えて、畳も変えて、ハウスクリーニングもしてもらったら、保証金だけでは修繕費に足らないけど、これまで長年お世話になった入居者みたいだから、追加請求まではしないようにしてあげなくちゃな。

そんな風に考えておりました。

すると...

管理会社管理会社
今度、市会議員に立候補する方が一緒に付いてきて、全額返金を要望されています。

どうやら、退去時の請求が心配で付いて来てもらったらしい。

これも選挙活動の一環なんだろうか...

まぁ、いいや。

契約書を見たら、「賃借人は、本物件を原状回復しなければならない。」って書いてるし、任せておこう。

たいしたいし
追加請求はしないから安心して下さい。
もし、内装を直して、保証金があまったらお返しするねって言っておいて下さい。
管理会社管理会社
原状回復って、賃借人が借りた当時の新品状態に戻すことではないですよ。
たいしたいし
マジっすか
元通りにするのが、賃借人の義務じゃないの?

 

「原状回復義務」の意味

賃借人が、入居時に支払うお金の中に、「敷金」「保証金」があります。

このお金は、入居者が汚したり、損傷させた部屋を、原状回復費用に充てるために、大家が事前に預かるお金です。

大家側は、敷金や保証金を預かっておくことで、家賃が滞納された時に、充当することができるのです。

敷金や保証金と地域等によって呼び方が異なっても、家賃の担保として預かるお金の場合、その扱いは同じです。

しかし、しばらく前まで、入居者の原状回復義務について、負担の範囲が明確ではありませんでした。

入居者の退去時に、敷金返還トラブルが多かったので、平成10年に国土交通省が、裁判例や取引の実務等を取りまとめたものが「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」です。

 

 

修繕は大家の義務

よく考えたら、数十年も住めば、誰が使っても内装だって痛みます。

たいしたいし
...全額返してあげて下さい。

結局、どんな人付いて来ようが、結果は同じで関係なかったのです。

入居者が、不注意で壊したり、故意に傷を付けた様な場合でなければ、大家負担なのです。

管理会社管理会社
承知しました。
では、次の入居者を募集するためにも、内装の修繕をお願い致しますね。
たいしたいし
はい...これが収益物件を経営するということかぁ。

空室をほっておいても、利益が上がるわけではありません。

賃料収入を得るために、空き部屋の修繕をしないと、入居もしてもらえないのです。

お金をかけて仕入れた商品に、利益を乗っけて販売する。

お金をかけて部屋を修繕し、賃料払って入居してもらう。

普通の商売と理屈は同じですね。

 

次々と不具合が出始める

この退去を皮切りに、古い収益物件を扱うことの意味を、僕は身をもって知ることになります。

管理会社管理会社
お湯が出ないって言ってます。
たいしたいし
すぐに給湯器を修理します。
管理会社管理会社
配水管が詰まって水が溢れているみたいです。
たいしたいし
すぐに清掃してもらいます。
管理会社管理会社
インターホンが鳴らないそうです。
たいしたいし
すぐに交換致します。
管理会社管理会社
換気扇が飛んで来るそうです。
たいしたいし
(ホントかよ!)
すぐに直します。(本当でした)

 

このアパート、古いだけにどんどん不具合が出て来ます。

そういえば、仲介業者の彼が言ってたなぁ。

不動産会社不動産会社
古い物件は手がかかりますよ。

なるほど、こういうことか...

 

家賃減額の申出

もう融資で借りたお金も使い切ってしまったので、ついに自分の貯金を取り崩して、修繕をしなくてはならなくなりました。

たいしたいし
こんなはずでは...

そう思っている僕のところへ、管理会社のAさんから連絡が入ります。

たいしたいし
また、故障かな...

もうAさんからの電話が恐くなっています。

管理会社管理会社
入居者の方が、家賃を下げて欲しいと言ってきています。
たいしたいし
え~~~

話を聞くと、前の所有者にはお世話になっていたから、ずっと住んでいたけど、オーナーチェンジしたんだから、家賃下げないと出て行くと言っているようでした。

既に出費ばかり多くて、僕は、気が滅入っています。

更に空室が増えて、ローンを返せなくなる恐怖が僕を襲ってきます。

数ヶ月間空室になるくらいなら、家賃がなくなるよりましだから、下げるしかないかぁ。

たいしたいし
...減額に応じて下さい。

 

次から次へと起こる問題に対処していると、もう、シミュレーションゲームでもプレイしている気分になってきます。

選択肢

[st-marumozi fontawesome=”” bgcolor=”#f3f3f3″ bordercolor=”” color=”#000000″ radius=”30″ margin=”0 10px 0 0″ myclass=””]殿様、隣国が攻めてきました。[/st-marumozi]

 

→ 合戦を

[st-marumozi-big fontawesome=”” bgcolor=”#FFB74D” bordercolor=”” color=”#fff” radius=”30″ margin=”0 10px 10px 0″ myclass=””]する?[/st-marumozi-big]  [st-marumozi-big fontawesome=”” bgcolor=”#4FC3F7″ bordercolor=”” color=”#fff” radius=”30″ margin=”0 10px 10px 0″ myclass=””]しない?[/st-marumozi-big]

 

こんな気分です。

しかし、これは現実です。しっかりと対応しなくてはなりません。

空室リスクはさることながら、もしもの為に保険にもしっかりと入っておかないと行けません。

 

入居申込者が現れる

これで空室は4部屋。

ホントに募集してるのかなと、僕も自分で自分の収益物件を検索とかし始めています。

自分で検索しても、すぐに見つからないのだから、そんなに簡単に入居者が入る訳がないんです。

しかし、ここで入居の打診がありました。

管理会社管理会社
外国人ですが、いいですか?
たいしたいし
...お断り下さい...

別に偏見がある訳ではありません。

でも、大きな音を出したり、習慣の違いで、先に住んでいる方へ迷惑がかかることの方が心配でした。

たいしたいし
うーん。この先どうしよう...

 

まとめ

ようやく建物の修繕も終わって、大家業が始まったのですが、問題ばかり起きてきます。

しかし、収益物件に限らず、古い建物に不具合が出ることは想定しておかなければなりません。

新築と違い、「手がかかる」ことを理解していなかっただけなのです。

本来は、固定資産税や税理士報酬といったランニングコストの他に、空室リスクや細かい修繕費も考えて、返済期間を決めなければなりませんでした。

自分の貯金を取り崩して、収益物件のローンを返す状態になってしまった僕は、入居者の募集をしなければと、奮闘するのでした。

続く

 

数字の向こう側 表紙

2026年改訂

数字の向こう側

旧版:ストーリーで読む副業で不動産投資

不動産投資を実体験の流れで読みたい

副業で不動産投資を始めた体験を24の物語としてたどり、数字だけでは見えない判断・失敗・学びと、その先に見えた豊かさを描いた一冊です。

  • 副業で不動産投資を始めた24の物語
  • 数字の裏にある判断と行動の軌跡
  • 失敗・迷い・学びも含む実体験
今回見直した内容

旧版「ストーリーで読む副業で不動産投資」を土台に、当時の体験は残しながら、法律・税務・不動産実務に関する説明を現在の視点で見直し、24の物語として再構成しました。

END

最後までお読みいただき、ありがとうございました。